【用語】両立支援

WLB_cafeでは「迷走する両立支援」イベントのブックレット作成を企画しています。イベントの中で出てきた分かりにくい言葉や、解説の必要そうな言葉については、用語の説明を付けようと考えています。この記事は有志の方により作成いただいた用語説明です。(ただいま、用語説明を書いてくれる方を募集しています!)

両立支援

仕事と家庭を両立できるような就業環境づくりを目的とした、国、自治体、企業による取組み(法律の制定、制度の整備、サービスの提供など)のこと。
 
○対象者
両立支援で対象としているのは、基本的には、家庭をもち、子育てをしながら、夫婦共に企業に勤めている労働者です。正社員だけでなく、パート社員や契約社員などの非正規社員も含まれます。また本当の意味での両立を実現するには労働者全体の働き方を見直す必要があることから、両立支援の施策には、すべての労働者に関わるものも含まれています。


○両立とは
仕事と家庭の両立とは、単に「労働の対価として賃金を得ながら、家族の生活を維持するための家事もこなす」というだけではなく、仕事と家庭のそれぞれにおいて、自分が培ってきた能力を発揮し、やりがいを見出し、喜びを実感できることをいいます。
 両立できているかどうかの判断は、個人の価値観や環境によって同じではありません。
ある人は、時間内は効率よく仕事を進める替わりに、短時間勤務を利用して早くめに帰宅し、栄養バランスのよい夕食を手作りすることや、ゆったりした気持ちで子供と接することを大切に考えているかもしれません。
ある人は、仕事で成果を出すことにやりがいを感じ、残業もする替わりに、夕食はデパートの総菜を利用して短時間で済ます。ただしどんなに疲れていても子供が寝る前の読み聞かせは欠かさない、と決めて両立を図っているかもしれません。
このように、個人によって目指す「両立」が異なるため、支援策も、個人が選択できるものである必要があります。


○支援とは
 支援とは、個人がそれぞれの価値観に応じた両立を実現できるように、規定や制度を整備したり、サービスを提供したりすることです。

(国による支援)
 国は、企業の就業環境づくりを推進するために、法律を整備したり(育児・介護休業法、次世代育成対策推進法)、計画の届出を義務付けたり(一般事業主行動計画)、相談体制を設けたり(両立支援アドバイザー制度)しています。助成金という形で資金の支援も行っています。

(企業による支援)
 企業は、法律に基づいて社内の規定を整備したり、それを上回る規定や制度を導入したりすることで、働きやすい職場環境づくりを進めています。


○両立支援の課題
大企業の規定や制度はかなり充実してきましたので、そこ勤める正社員の女性は、キャリアを中断せずに両立を図ることが可能になってきました。これからの大きな課題として次の3つを挙げることができます。�中小企業における規定、制度の整備、�正社員と非正社員の格差の是正、�男性社員の働き方、家庭への関わり方の見直し。
 また、少子高齢化が進むに従い、介護との両立を支援する制度も拡充が求められます。


(11/14追記)
更新版記事をアップしています。【用語】両立支援(更新版) - ワークライフバランス・カフェ スタッフ日誌

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